11月24日午後、エリエールレディスオープンゴルフをテレビで観戦した。
今シーズンもいよいよ大詰め、優勝はもちろん賞金女王、シード権獲得を目指すそれぞれの熱き戦いが繰り広げられた。
その中でも森田理香子と藤本麻子の優勝争い、そして森田と横峯さくらの賞金女王争いは、本当に素晴らしかった。
森田は、開幕ダッシュで3勝を挙げ自身初の賞金女王に向けて好スタートを切った。
しかし、その後は故障などもあって度重なる予選落ちで苦汁の日々が続く。
そしてついに9月以降2勝を挙げ猛追してきた横峯に先週の試合でも負けて、獲得賞金で逆転されてしまい、今回の試合を迎えたのである。
試合に戻る。
最終日、トップスタートの森田は通算賞金で横峯に抜かれたが、ラウンド中、笑顔を絶やさない。
ゴルフはもちろん技術も大切だが、それ以上にメンタルなスポーツだ。
先週の試合で逆転されて、思い切っていこうと吹っ切れたのかもしれない。
9番でダブルボギーを叩いて大きく後退したが、自分を信じてプレーを続ける姿がいい。
そして17番ロングホールで15メートルフックラインの難しいイーグルパットをねじ込み、首位を奪還する。
テレビ解説の岡本綾子は森田のパットが決まった瞬間、思わず
「ヨシッ!」
と言ってしまい、その後、涙で声が詰まりながらも小さく
「ごめんなさい」
と詫びた。
岡本綾子は、森田の師匠である。
長年、その才能を見込んで森田を育ててきた。
その森田が、今年やっと花を咲かそうとしている。
7月以降ずっと勝てなかった森田が、マスコミからは執拗に勝てない理由を尋ねられ、どれだけ悩み、苦しみながらここまできたのか、岡本はすべてを知っていた。
だからこそ岡本は、イーグルパットが決まった瞬間、公平であるべき解説者の立場を忘れて、
「ヨシッ!」
と言ってしまったのであろう。
まさにこの場面こそ、試合中最高に盛り上がった感動的な場面であった。
そのあとは実況アナがしゃべり続ける中、岡本はずっと無言(泣いていたのだと思う)だった。
森田の見事な優勝で、今週末の女子ゴルフ最終戦、LPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップが楽しみだ。
森田ファン
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